使用の目的:ニキビ予防、シワの防止
類似した成分:レチノール、レチノイン酸
レチナールとは一部のスキンケア製品に利用されている成分で、化学式C20H28Oで表されるビタミンA誘導体の一種です。広義の「レチノール」配合化粧品に使用されている成分の1つで、常温では白色〜黄赤色の粉末状の物質で、水に溶けにくく、エタノールやアセトンに溶けやすい性質を持っています。生体内にも存在する物質で、工業的にはレチノールから分離することによって得ることができます。
特筆すべき性質としては比較的強力な肌のターンオーバー促進作用が挙げられます。レチノールやその他のビタミンA誘導体が含まれた医薬品や化粧品を肌につけると細胞の成長や増殖を促進することが知られていますが、他の成分がレチノール→レチナール→レチノイン酸と変化し、レチノイン酸が肌の受容体に作用するのに対して、レチナールは位置段階の変化でレチノイン酸に変化するため、レチノールよりも強力な作用を発揮します。そして、この作用は肌のニキビやシワを予防する上でとても有用です。
シワやニキビを改善する目的で医療機関でも用いられており、他の成分と比較しても比較的高い効果を期待できます。また、生成物のレチノイン酸の作用が強すぎ、国内での化粧品成分としての利用が禁止されているのに対し、レチナールは化粧品成分としても利用可能です。しかし、レチノールと比較しても不安定で、レチノイド反応と呼ばれる肌荒れやかゆみの反応も起きやすいため、使用する上ではそのリスクについて十分な理解が必要です。
類似した成分としては純粋レチノールが挙げられます。純粋レチノールはレチナールと同様にビタミンA誘導体の一種で、レチナールと同様の作用を持っていますが、よりその作用が穏やかで、成分としての安定性が高いことが特徴です。化粧品にはいずれの成分も利用されますが、より肌への刺激が低いレチノールの方が一般的です。