シミ対策に着目した美容成分と期待される効果

しみ

シミ対策のための「美白」化粧品とは?

10代、20代になったばかりの頃は外で運動していても、海に遊びに行っても健康的に日焼けするだけだったけれど、最近どうも肌のシミが気になってきた、あの時にもっとUVケアをやっておけば良かった、そう感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。人生経験を重ねることで内面の美しさは磨かれますが、それに応じて肌にも相応の歴史が刻まれてしまいます。歴史の刻まれた外面もまた美しく、ありのままの自分が良い、といった考え方もヨーロッパを中心に広まりつつあるようですが、肌は若々しさを保っていたい、そう感じる方がまだまだ多いかもしれません。

そのような方向けに開発されたものが、「美白化粧品」です。美白化粧品は「光の効果で肌を白く見せる」成分を含んだメークアップ化粧品もしくは「シミ、ソバカスを防ぐ」成分を含んだスキンケア化粧品の事を指し、薬事法で効果が規定されています。スキンケアで用いられる美白化粧品は決して肌を白くするものではなく(かつてはそのようなものがありましたが、色素沈着等の副作用が強く現在では禁止されています)シミ、ソバカスを防ぎ、「自然な肌の色を見せる」目的で使用されます。歴史は意外に新しく、1989年にコウジ酸を用いた化粧品に用いられたのが最初ですが、今日では約20種類の美容成分が医薬部外品として認可を受けた上で配合されています。

そもそもシミはどうしてできるの?

 そもそも、頭痛の種となる肌のシミはどうしてできるのでしょうか。肌の表皮層には刺激から肌を守るための仕組みが備わっており、その1つとして紫外線からの防御作用が挙げられます。肌が紫外線を浴びると皮膚のメラノサイトという部分でメラニン色素が作られ、メラニン色素は肌を守るために細胞内へと行き渡ります。この状態が広範囲で確認できるのがいわゆる「日焼け」の状態です。

通常の日焼けであれば肌のターンオーバー作用により1ヶ月程でメラニン色素は排出されるのですが、メラニン色素の供給が過剰な場合、もしくはターンオーバーが正常に行われなかった場合、メラニン色素は肌に滞留します。ターンオーバー作用の低下は紫外線による活性酸素によるダメージやホルモンバランスの乱れ等、複合的な要因によって引き起こされ、これが肌にできるシミの原因となります。

 シミは小さなものであれば目立たず、また、皮膚の持つ本来の作用であるため健康面での悪影響はないのですが、目立つものになると肌本来の持つ美しさを大きく損ねてしまいます。ファンデーションやコンシーラーはシミを目立たせなくするためにとても有用ですが、シミ自体ができないことに越したことはありません。

シミに有効な成分とは?

医薬部外品として「シミ、ソバカスを防ぐ」効果が認められている中で最も広く利用されているものの1つがビタミンC誘導体です。表記方法に応じてアスコルビン酸〇〇と記載されることもありますが、単体では分解されやすいビタミンCを安定化させた物質です。皮膚の中でメラニン色素が生成される過程では酸化反応が主に発生しており、また、肌の表面に発生した活性酸素による刺激が反応を促進しますが、ビタミンC誘導体は強い還元作用を持ち、メラニン色素が生成される反応を抑制し、かつ発生したメラニンを還元することによってシミの発生を防ぎます。

 医薬部外品としてはアルブチンやトラネキサム酸もよく用いられています。アルブチンはハイドロキノン誘導体とも呼ばれており、シミの原因となるメラニン生成に関連した酵素であるチロシナーゼの作用を阻害し、メラニンの合成を止める働きがあります。天然成分でもあり刺激性も少ないため配合が容易です。また、トラネキサム酸は皮膚が刺激や炎症を起こした際に発生し、メラニン合成を促す働きを持つプラスミンの作用を阻害することにより、シミの発生を防ぎます。シミだけではなく、肝斑等への効果も期待できるため、その目的でも使用されています。

より効果が強いものとしてはハイドロキノンが用いられることもあります。ハイドロキノンは医薬部外品の指定からは外れますが、植物が紫外線から身を守るために持っている成分でアルブチンと近い構造を持っており、アルブチンよりはるかに強くチロシナーゼの作用を阻害し、また、生成したメラニンを還元する作用があります。ハイドロキノンの作用は強力で、日焼けや肝斑等も含めたメラニン由来の症状に医療用としても使用されている成分ですが、構造がやや不安定で分解されやすく、人によっては使用時に刺激を感じる、紫外線に当たることによってシミが悪化する等の副作用が起こることが報告されています。ハイドロキノンが配合された化粧品を使う際は使用上の注意を守り、期限内に使いきるようにして下さい。

美白化粧品以外でのシミ対策

美白成分が含まれたスキンケア化粧品を取り入れることはシミの発生を予防するために有効ですが、シミが発生する原因を取り除くこともまた重要です。先にも述べましたが、シミは紫外線等による肌への刺激から肌を守るための反応として生成され、肌のターンオーバーが正常に行われないことによって沈着します。

 肌が紫外線に晒されることを防ぐためには、基本的ですがUVカット成分の含まれた乳液やファンデーション、日焼け止めの利用が有効です。また、紫外線を浴びた際には炎症を抑える成分等が含まれた化粧水等でケアをするようにして下さい。

 また、肌のターンオーバーが正常に行われるようにするためには基本に忠実なスキンケアが重要です。高価な化粧水や乳液、美容液等を使うことは確かに効果的ですが、より手軽に出来ることとして、肌を傷つけてしまうような習慣を見直すことが大事になります。洗顔やスキンケアの際には肌をたたいたりこすったりすることなく、優しく撫でるようにして馴染ませて下さい。1日の終わりにはメイク落としで優しくメイクオフし、皮膚に余分な油分が残らないようにして下さい。また、お酒の飲み過ぎや甘いものの食べ過ぎにも気を付け、睡眠も適切に取るようにしましょう。

 日々の心掛けと美白成分の組み合わせが、あなたの肌をいつまでも輝かせてくれるための鍵となります。

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