使用目的:シャンプー、ボディーソープ等の洗浄成分
類似した成分: ミリスチン酸、パルミチン酸
ラウリン酸とは主にシャンプーやボディーソープ、洗顔石鹸に含まれている成分で、化学式C12H24O2で表される高級脂肪酸の一種です。常温では白色の固体結晶で、水にはあまり溶けず、エタノールや油性成分との馴染みが良い成分です。天然にも豊富に存在する成分で、ココナッツオイルやヤシ油から抽出する形で得られます。また、母乳にも含まれており、食品として摂取した場合は免疫力を高める成分としても知られています。
ラウリン酸は化粧品の分野では主に石鹸を合成するための原料として用いられます。ラウリン酸は他の脂肪酸と同様に、水酸化ナトリウム(固形石鹼として使用する場合)、水酸化カリウム(液体石鹸として使用する場合)と反応させることによってセッケン(化学的には片仮名で表記します)となりますが、ラウリン酸を原料として使用した石鹸は油汚れを洗い落とす作用、泡立ちに特に優れており、低温でも作用を失わないといった特徴があります。また、ラウリン酸セッケンにさらにラウリン酸を添加すると泡の質がさらに改善されます。
ラウリン酸は化粧品として使用する上での安全性に大変優れています。天然由来で食品や母乳にも豊富に含まれており、若干の肌に対する刺激はあるものの、安心して使用することが可能です。また、容易に抽出可能であり、かつ安定した成分であるため生産性にも優れ、低コストで化粧品に取り入れることが可能です。しかし、セッケンとして使用した場合に皮脂を取り除く力が強すぎるため、乾燥肌に悩んでいる場合には注意が必要です。
類似した成分としては同様に脂肪酸に分類されるミリスチン酸やパルミチン酸が挙げられます。いずれもナトリウムセッケンやカリウムセッケンの原料として用いられますが、ラウリン酸セッケンと比較して洗浄作用が穏やかであるため、製品の性格に合わせて使い分け、もしくは併用されています。
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