カルボマー

成分

使用目的:オールインワンコスメのベース成分、増粘剤

類似した成分:キサンタンガム、PVA

 カルボマーとは化粧水や美容液等を中心に幅広く配合されている成分で、ポリマーの一種です。正式にはカルボキシビニルポリマーと呼ばれます。常温では白い粉末状の固体で、工業的にはアクリル酸をエーテルと反応させて重合させることによって得られます。分子の構造によって複数の種類が存在します。

 特筆すべき性質としては増粘作用が挙げられます。カルボマーは構造中に酢酸、アミノ酸にも含まれているカルボキシル基と呼ばれる構造を持つため水に溶かすと酸性を示しますが、これを水酸化ナトリウムやTEA等を用いて中和することにより、無色透明のゲル状に変化します。このゲル状のカルボマーは高い粘性を持つ一方でべたつきが少なく使用感が良いこと、また、水やアルコール、高分子をゲル内に適切に分散させることから使い勝手に優れており、特に様々な成分を1本の製品に配合するオールインワンコスメのベース成分として大変重宝されています。

 化学的に安定であり肌への刺激も認められないこと、また、温度等による性質変化も少ないことから安心して利用可能な成分です。一部では石油由来の成分であること、また、ゲル状の成分が肌の表面を塞いでしまうのではないか、といった心配から使用を控える動きもありますが、石油由来であるが故に成分としては安定で、また、水溶性ポリマーであるため肌を塞ぐ働きも弱いです。しかし、保湿効果を目的として使用した場合、使用感と比較して実際の保湿効果がやや弱いため、乾燥肌の場合は他の製品を併用し、十分に保湿を行うことをお勧めします。

 類似した成分としてはキサンタンガムやPVA等が挙げられます。キサンタンガムはカルボマーよりも増粘作用に優れていますが、他成分を分散させる働きや保湿効果は持ち合わせていないため、増粘作用のみを目的とする際に使用されます。また、PVAはカルボマーと比較して皮膚の上での被膜形成や乳化剤としての作用に優れているため、その目的で使用されます。

コメント

タイトルとURLをコピーしました