使用目的:UV-Aの吸収剤、化粧品の退色防止
類似した成分:t-ブチルメトキシジベンゾイルメタン
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルとは日焼け止め等に含まれている成分で、常温では白色の粉末です。化学式C24H31NO4で表される芳香族エステルの一種で、販売名としてUvinul A Plusと呼ばれることもあります。
特筆すべき作用としては紫外線吸収剤としての役割が挙げられます。ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは構造中の芳香環が紫外線を吸収する構造として働き、特に皮膚が黒くなる日焼けの原因であるUV-Aを選択的に吸収します。紫外線を防ぐ効果は酸化チタン等の紫外線散乱剤より強いため、日焼け止め効果を重視した製品に特に使用されます。また、UV-Aはメークアップ化粧品の退色の原因となるため、それを防ぐ目的で配合されることもあります。
油分に溶けやすく他の日焼け止め成分との相溶性も高い、使用感も紫外線散乱剤と比較して良い、といった優れた特徴を多く持つ成分ですが、他の紫外線吸収剤を用いた製品と同様、油分の強いテクスチャーとなる傾向があること、紫外線吸収剤自体が「化学反応を伴うものである」ことから、敏感肌の方は刺激を感じることがあります。また、直接身体には影響を及ぼしませんが、塩素系漂白剤と反応することによって赤く変色する性質があるため、衣類に付着した際は注意が必要です。
ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシルは効果を重視した日焼け止め製品において、しばしばメトキシケイヒ酸エチルヘキシルと合わせて使用されます。前者がUV-Aを選択的に吸収するのに対して後者はUV-Bを選択的に吸収すること、相溶性に優れていることなどからとても相性の良い組み合わせです。また、UV-Aに強い吸収作用を持った成分としてはt-ブチルメトキシジベンゾイルメタンが挙げられ、より広い幅広いジャンルの化粧品に製品の退色防止目的で使用されています。
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