イチジク果実エキス

成分

使用の目的:抗酸化作用、保湿

類似した成分:キウイエキス、グルコース、フルクトース

 イチジク果実エキスとは一部のスキンケア製品等に利用されている成分で、グルコース、フルクトースなどの糖類、色素であるアントシアニン等を含んでいます。常温では黄茶色の液体で、水に溶けやすく、油と馴染みにくい性質を持っています。工業的にはクワ科の植物イチジクの果実から有効成分を水やエタノールを用いて抽出することによって得られます。

 特筆すべき性質としては優れた抗酸化作用が挙げられます。イチジク果実エキスにはポリフェノールの一種であるアントシアニンやビタミンEが豊富に含まれているため、肌につけると活性酸素などによる肌へのダメージをよく防ぎ、シミやソバカスの発生を予防する効果を期待できます。また、グルコースやフルクトースなどの糖類も豊富に含まれているため、一定の保湿効果も期待することができます。

 天然由来で食用としてもお馴染みの成分で、安心、安全に利用可能です。また、イチジクに含まれるソラレンが光毒性の原因となる、といった話が一部で取り上げられていますが、果実にはほとんど含まれていません。しかし、抗酸化作用や保湿作用については他により優れた効果を持った成分が多く存在し、そちらの方がより好んで利用されます。(イチジク果実エキスは成分の効果よりもむしろ、「そのまま出荷できないイチジクの利用法」として注目されています)

 類似した成分としてはキウイエキスが挙げられます。キウイエキスはイチジク果実エキスと同様にポリフェノールを多く含み、化粧品に抗酸化作用を目的として用いられますが、他にビタミンCやクエン酸も含まれているため、肌を引き締める効果も期待できます。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で使い分けがされていますが、用途が広いキウイエキスの方がより多くの製品に用いられています。

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