ネロリドール

成分

使用の目的:香料

類似した成分:リナロール

 ネロリドールとは一部のフレグランス製品や精油などに含まれている成分で、化学式C15H26Oで表されるセスキテルペンの一種です。常温では無色もしくは薄黄色の液体で、水とは混ざりにくく、エタノール等に溶けやすい性質を持っています。天然ではミカン科の植物ダイダイ(ビターオレンジ)やバンレイシ科のイランイランの花に含まれていますが、リナロールから工業的に合成することも可能です。

 特筆すべき性質としてはその良い香りが挙げられます。ネロリドールは花や木を連想させるような甘く爽やかな匂いを持っており、石鹸などの香り付けとして、また、フレグランスウォーターなど「香りを楽しむ」製品に利用されています。また、ネロリドールは女性ホルモンや男性ホルモンのように作用することでも知られており、更年期障害などのホルモンバランスの乱れに伴う体調不良に効果があるとされ、注目されています。

 天然由来で化粧品に利用されている範囲では肌への刺激性や毒性も少ないため、安心、安全に利用可能です。また、ネロリドールは香り成分の中では比較的水に溶けやすい部類のため、精油や油性の化粧品だけではなく、フレグランスウォーターなど水性の製品にも効果的です。しかし、天然の花からは僅かしか採ることができず、また、合成も比較的手間がかかるため高価です。

 類似した成分としてはリナロールが挙げられます。リナロールはネロリドールと同様にテルペンの一種で、フレグランス製品や石鹸などの香り付けに用いられますが、スズランを連想させるような甘く穏やかな香りが特徴です。化粧品にはそれぞれの特徴を活かす形で併用、もしくは使い分けがされますが、天然由来、合成由来を問わず大量に入手可能なリナロールの方がより一般的に用いられています。

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