毛穴の黒ずみってどんな状態？
小鼻や頬の毛穴の黒ずみ、普段はそこまで気にしていなくても、ある日何気なく鏡をのぞいたら、結構目立って気になるようになった方も多いかもしれません。洗顔を念入りに行って、日々のスキンケアを行っていても黒ずみは中々治らず、沢山売られているケア商品を買ってみたけど効果がよく分からない、そんな経験もお持ちかもしれません。
そもそも毛穴が黒ずんでいる、というのはどういった状態なのでしょうか。黒ずみにはいくつかの要因がありますが、最も多いものが「毛穴に汚れが詰まった」状態であり、次に多いものが「広がった毛穴が影で黒く見える」ことによるものです。どちらにしても見栄えは悪く、また、毛穴が大きく多い場合、ファンデーションで上手く隠すのも大変です。また、初めは洗顔やケア商品で良くなっていたけれども最近落ちなくなった、と悩みを抱えている場合、メラニン色素が沈着し、シミのような状態になってしまっていることもあります。
毛穴はどうして黒ずむの？
では、毛穴はどうして黒ずんでしまうのでしょうか。黒ずみの原因は基本的には毛穴と皮脂の関係によるものです。肌の中では水分量を適切に保つための正常な作用として皮脂が生成され、必要に応じて毛穴を通って表面に分泌されています。肌が清潔に保たれ、また、肌のターンオーバー作用が正常である限りは毛穴が詰まる、もしくは毛穴が大きく広がってしまう心配はありません。
しかし、ホルモンバランスの乱れや乾燥等の影響により皮脂が過剰に分泌されるようになると、毛穴はより多くの皮脂を表皮に送り込むために広がろうとします。また、皮脂が過剰に分泌されてしまうと表面の古くなった角質層が毛穴に詰まりやすくなり、いわゆる角栓を形成します。毛穴が広がり大きくなると、その凹凸により陰ができ、黒っぽく見えてしまうことがあります。また、毛穴に角栓が詰まった状態が長く続くと、次第に角栓が酸化され、黒っぽく変色してしまいます。どちらも特に小鼻や頬のあたりにできやすく、見た目を大きく損ねてしまいます。
また、ターンオーバー作用の乱れはメラニン色素の沈着の原因ともなります。メラニン色素は紫外線やその他の刺激を肌が受けた際、身体を守るための反応として生成され、役目を終えると共に少なくなりますが、ターンオーバー作用が弱くなるとそのまま皮膚に沈着し、毛穴周りの黒ずみの原因となってしまいます。メラニン色素が原因の黒ずみは皮膚そのものが黒くなってしまった状態のため、洗顔等で角栓を取り除いても効果がなく、対処には予防的なスキンケアが必要となります。
毛穴の黒ずみの落とし方
では、毛穴の黒ずみを見つけた場合、どのように落とせば良いのでしょうか。皮脂の詰まり、角栓が原因である黒ずみに関しては対策のための商品が色々と発売されていますが、直接黒ずんだ毛穴に働きかける化粧品として、古い角質を剥がれやすくするピーリングジェル、古い角質や皮脂を分解して取り除きやすくする酵素洗顔料が挙げられます。
ピーリングジェルにはアルファヒドロキシ酸（リンゴ酸やクエン酸）やサリチル酸等の有機酸が含まれており、皮膚に適量を塗ることで、表面の古い角質をはがし、再生させる働きがあります。不要な角質の除去にはとても効果的ですが、皮膚に対する刺激性が強く、本来肌に必要な角質まで取り除いてしまうため、使用頻度には注意して下さい。
酵素洗顔料は成分の中にパパインやプロメラインといったタンパク質を分解する酵素やリパーゼ等の脂肪を分解する酵素が含まれており、古い角質や皮脂を選択的に分解するため、ピーリングジェルと同じような効果を発揮しますが、肌を直接傷つけるピーリングジェルよりは幾分作用が穏やかになります。こちらはマイルドなものであれば毎日使用することも可能ですが、皮脂を取り除く効果が非常に強く乾燥肌等の原因となってしまうため、使用後は保湿を入念にするようにして下さい。
皮脂が原因の毛穴の黒ずみの落とし方としては他にスクラブ洗顔やはがして引っ張るタイプの毛穴パック等、物理的に詰まった部分を取り除く方法も存在します。しかし、これらの方法はあまりおすすめできません。角栓は物理的に除去できますが、肌に大きな刺激や傷を与えてしまうことになり、肌のターンオーバーの乱れやメラニン色素の沈着等の原因になるため、長期的に見ると逆効果となってしまいます。ピーリングや酵素洗顔料といった化学的な方法を取り入れること、もしくはより予防的な方法に力を入れることをお勧めします。
毛穴の黒ずみの予防法
では、そもそも毛穴を黒ずませないためにはどうすれば良いのでしょうか。そのためには日々の地道なケア、特にクレンジングが大事になります。油性のファンデーション等が肌に残ってしまった場合、皮脂と同じ要領で毛穴に詰まり、黒ずみの原因となってしまいます。一方で過剰に皮脂を取り除くことは肌の乾燥によるコンディションの悪化や皮脂の分泌量の増加による毛穴の開きを誘発してしまいます。黒ずみが気になった場合はボタニカルオイル等を主成分としたクレンジングオイルを用い、優しくメイクを落とすようにして下さい。
メラニン色素の沈着による黒ずみの予防には美白成分の含まれた化粧水、乳液等によるスキンケアが効果的です。美白成分にはビタミンC誘導体やアルブチン、トラネキサム酸等があり、医薬部外品として効果を保証されており、いずれもメラニン色素の合成もしくはその途中の酵素の合成を妨げる働きがあります。既に黒ずんでしまった部分の改善には長い時間がかかりますが、黒ずみを抑えるために積極的に取り入れると良いでしょう。
毛穴の黒ずみ、とても悩ましい問題ですが、そういうものだと諦めてしまう必要はありません。日々の地道なケアがあなたの肌をきっとより美しくしてくれることでしょう。
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