使用の目的:清涼感の付与
類似した成分:セイヨウハッカ油
ハッカ油とは主に夏向けのスキンケア製品やリップ製品に利用されている成分で、l-メントールを主成分としています。常温では無色~淡黄色の液体または固体(低温)で、水に馴染みにくい一方、エタノールや油性成分と比較的よく馴染みます。工業的にはハッカ(ジャパニーズミント)の葉を乾燥させ、油分を抽出することによって得られます。
特筆すべき性質としては主成分であるl-メントールが生み出す清涼感が挙げられます。肌には温度を感じるセンサーであるTRPチャネルと呼ばれる仕組みが備わっており、温度に応じて特定の部位が活性化されますが、l-メントールはTRPM8と呼ばれる28℃以下の温度に反応する部分を特に活性化させ、高温環境下で肌に塗ると「涼しく」感じられます。ハッカ油は他にミント由来の油と比較してl-メントールの配合量が多いため、この効果を強く感じることができます。
天然由来の成分で毒性もなく、適切に使用する限りでは刺激性も低いため、安心、安全に利用可能な成分です。また、この涼感作用を取り入れることで、身体を冷やし過ぎることによるデメリットを緩和することができます。しかし、高濃度の状態のものを肌に塗ると刺激が強いため、市販のハッカ油をそのまま使う場合は直接肌につけたりお風呂に入れたりせず、必ず無水エタノール等で薄めて使用するようにして下さい。
類似した成分としてはセイヨウハッカ油が挙げられます。セイヨウハッカ油はハッカ油と同様に清涼感を付与する為に利用されていますが、ハッカ油と比較してl-メントールの含有量が少ない一方、匂いがより爽やかで、また、含まれているビタミンCやタンニン、フラボノイド等によるスキンケア向けの効果も期待することができます。化粧品にはそれぞれの特性を活かす形で利用されています。
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