使用の目的:殺菌作用
類似した成分:塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノール
クレゾールとは一部の液体石鹸等に利用されている成分で、化学式CH3C6H4OHで表されるフェノール誘導体の一種です。メチルフェノールと呼ばれることもあり、常温では無色から褐色の特異臭のする液体で、水に溶けにくく、エタノールに溶けやすい性質を持っています。工業的にはフェノールをメチル化することによって大量に得ることができます。
特筆すべき性質としては優れた殺菌作用が挙げられます。クレゾールが含まれた石鹸を肌につけると様々な種類の雑菌の繁殖を強力に防ぎ、その殺菌力は他の成分と比較して皮脂や他の有機物の影響を受けにくい、といった特徴があります。また、クレゾールには洗浄作用もあるため、不要な皮脂などを取り除く効果も期待できます。
殺菌剤として長い使用実績があり、特に医療機関などでは手指や病棟を消毒する目的で利用されています。また、有機物の影響を受けにくいこともあり、その効果は長時間持続します。しかし、タンパク質を変性させる、消毒作用が強すぎるなど、化粧品成分としてはあまりにも「強力すぎる」ため、配合量の上限はかなり厳しく、現在では一部の石鹸を除いてほぼ利用されていません。
類似した成分としては塩化ベンザルコニウム、イソプロピルメチルフェノールが挙げられます。塩化ベンザルコニウムやイソプロピルメチルフェノールはクレゾールと同様に殺菌目的で化粧品に利用されますが、十分な殺菌効果を持つ一方、肌への刺激性や毒性が弱いことで知られています。そのため、化粧品にはより一般的に利用されています。